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【初等・中等】国語専攻【学年問わず】
[668]名無しさん@愛教ちゃんねる:2011/07/16(土) 23:12:21
◎あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき
→方言の使用。故郷の雰囲気を出す。どうにも、自分を偽ることのできなかった
夢と、それを具現化した「切符」。それを「あんたに送る」。どこにいる誰なのか。
行先は「東京」であることが、この段落の最後で示されることも、余情にあふれている。
そして、その「あんた」とは、おそらくは「東京」にいる恋人か。あるいは親友、夢を
同じくした同士か。自分ではとても持っていることができない。それを見れば夢を思い
出してしまう。自分のつらさが増すだけである。だから送ってしまう。自分の思うその人
に持っていてほしい。それが自分とその人との、夢を媒介にしたつながり・キズナの確認
でもある。何度もつらい思いで、苦渋の決断をする中で、悔しさとやるせなさの中で流した
涙と汗に「滲んだ文字」。「東京」という夢が記された「文字」を、自らの手で不鮮明にし、
それはそのままおぼろげな夢が消えていく状況をも表している。
◎ああ 小魚たちのむれ きらきらと … 諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
→この曲の中の挿話は、どれも「諦め」きれない人々の叫びだ。それをどうにか
乗り越えようとして、無力な「小魚」は、声にならない叫びをあげている。
そしてそれは「きらきらと」美しいものでもあった。全身の力で、幾重にも
がんじがらめにされた、社会の制度、個人ではどうすることもできないこと。
そんな数々の不条理が強要する「諦めという名の鎖」への挑戦と、それをする人
たちへの「ファイト」。
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