1- レス

【初等・中等】国語専攻【学年問わず】


[663]名無しさん@愛教ちゃんねる:2011/07/16(土) 22:22:04
歌謡曲 歌詞 評釈 中島みゆき『ファイト』

印象的にいえば、その時代の「空気」がよく伝わってくる。誰もが全力で生きていた時代。
汗水流して働くことをいとわず、それが当たり前だった時代。そんな時代の人へのエール。
それが今でも十分に人々の心に響く。ラジオでの実際の投稿から作られた曲。
この曲が、冒頭のセリフを投稿した人への「ファイト」のエールでもある。

◎あたし中卒やからね 仕事もらわれへんのやと書いた
→戦後の高度経済成長期のころのことか。進学を希望しながらも、就職することを
余儀なくされ、商店で働く投稿者は、店主の「事務の仕事
は任せられない」という言葉を耳にし、やりきれない気持となり、中島の深夜ラジオ
番組にはがきを出した。

◎女の子の文字は とがりながらふるえている
→とがった文字。筆跡には感情が表れる。微視的にみれば心ない言葉を
陰でささやく店主らへの憤りであり、どうにもならない境遇への不満である。
そしてそれは世間の不条理への糾弾であり、時代というものへの告発ともなる。
しかしそれは「ふるえている」文字でもある。強い怒りによる文字の震えなのか、
あきらめなのか、これからそんな世の中で受ける不合理や不利益への不安なのか。
「文字」が「女の子」の思いを十二分に中島に伝え、それは聴く者にも伝わる。


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0ch BBS 2005-12-31