板 1- 前 次 新 レス
【初等・中等】国語専攻【学年問わず】
[609]名無しさん@愛教ちゃんねる:2008/01/01(火) 04:54:51
「道」はこれから来るであろう未来のメタファー。また、「未知」の
意味合いも掛けられているか。これから起こるいろいろなこと、多くの場合
それを<イマ>考えることは、不安を伴う。今がこのまま続けばいい。
しかし時間がとまらないことは自明。人間はそうして生きている。
時間の推移は、一定の「筋」をもつ物語・小説の根本理念。そしてそれは
人生にも当てはまる。
ここで主体は一つの力、解決策とでもいうべきものを提示する。
それは「今を忘れない」ということ。それは記憶の力。それは思い出の力。
今、このときの、生きる糧となるような経験的な空間・時間を、
線状的な時間の流れに抗って、自分が持続させることのできる方法が、
一つだけある。それは<記憶>である。自分の心の中に、内面に、
そっと忍ばせておく思い出。それが、時間に翻弄される「この先」の「道」で、
必ずや力となる。
そうしたことがたった一文に込められている、と読むこともできる。
前 次