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【初等・中等】国語専攻【学年問わず】
[602]名無しさん@愛教ちゃんねる:2007/12/02(日) 02:35:22
『白い巨塔』を見ての雑感
医学研究というものがあり、その実践・臨床として、病院がある。
大学病院はまさにその構造を体得するものである。
そこではいくつもの専門に別れ、研究が行われ、その成果はまがうことなく
医学の発展、医療の進歩として社会に還元される。その大学病院の〈制度〉をめぐって
その閉塞性、人間性との逸脱や阻害を描いたのが、私見ながら当該作品であろう。
主題論はさておき、これを卑近な世界に近づけて考察してみたい。
文学研究ではどうであろうか。専門性はあり、研究も進展し、
それぞれの研究者は識見を持ち、対象に肉薄し、おびただしい研究成果が、
毎年発表されている。では、そうしたことの「臨床」として位置づけられるのは、
はたしてなんであろうか。まず思い浮かぶのは、学校教育のうち、教科教育としての
国語科教育である。また、新教育基本法にも特設された生涯学習社会
における〈知〉の普及、啓蒙であろう。
大学病院においては、教授は絶対の存在としてある。それは技術・識見・力量の
すべてにおいての教授である。教授は助教授・講師・医局員を指導する。
それは彼らにとってのものでもあるが、患者の、ひいては社会のための
指導でもある。老いた名誉教授も、オペではメスを握る。その技術が、
確かであるのなら。
我々一般人が接する〈医師〉にも、それぞれ力量に差があることになる。
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